経営学がAIを含むデジタル化の影響で変わるとしたら、何が変わるのか?今回AOM Big Data Conferenceで、全体像を考える手掛かりが得られた感じがします。経営学と社会の接点である「研究」と「教育」に、影響する対象として「コンテンツ」(内容)か「手法」か、の2×2の掛け算で見ると分かりやすいと思います。変化はその4つの面で顕在化しつつあるのではないでしょうか。以下、仮説を書いてみたいと思います。
1.研究×コンテンツ
経営学の研究対象である経営や企業社会でデジタル化が浸透するため、結果的に論文など研究の内容がよりデジタル化を扱うことになる。具体的には、3つ位のパターンがあるでしょうか。
第一に、「デジタル化」や「デジタル化による理論の変化」には特に興味が無い場合。興味が無いとしても、例えばある理論的検討余地について企業の事例研究を行うとき、過去に同じように事例研究をした場合に比べ、企業行動がデジタル化という環境変化のせいで特有の変化をしている可能性があります。なので、構築したい理論的検討余地にとって、デジタル化という文脈がどういう影響を持つか、以前よりも注意して議論する必要があるでしょう。
第二に、デジタル化による環境変化が、新しい理論的検討余地を生み、それに理論的な興味がある場合です。例えばAI実装が進み業務が自動化されれば、組織内外での知識の共有のされ方が変わり、それは伝統的な知識理論とはギャップがあるかも知れない。人的資源管理の伝統的な理論では、HRテックの浸透した組織をうまく説明できないかも知れない。このパターンが、見た範囲ではBig Data Conferenceの発表論文でも多かったと思います(私自身もそうです)。トピックとして「デジタル化」を使いつつ、理論としては既存理論に基づきその拡張・更新を狙う感じでしょうか。
そして第三に、デジタル化や技術のあり方それ自体に理論としての興味がある場合。従来、そういう議論がいわゆるIT系の論文・学会で行われてきたと理解します。今回のカンファレンスは、他分野(組織論、人的資源管理論、戦略論など)の研究者を招いて、他理論の視点でそれを語ろうという色がありました。なのでこのパターンの論文は少なかったように感じます。またこのアプローチでは、トピック自体から理論にジャンプしやすい陥穽もあるかもしれません。
(全く仮の例ですが、例えば「クラウドソーシング」が普及して既存研究にない特徴が明らかになると、「クラウドソーシング理論」という全く新しい理論が誕生した!と主張したくなる、というような)
・AOM Big Dataでは、どういうコンテンツの研究発表が多かったのか?
・特に面白かったのはどんな論文だったのか?
については、また回をあらため継続して書いていきたいと思います。
(この話題は続きます)
1.研究×コンテンツ
経営学の研究対象である経営や企業社会でデジタル化が浸透するため、結果的に論文など研究の内容がよりデジタル化を扱うことになる。具体的には、3つ位のパターンがあるでしょうか。
第一に、「デジタル化」や「デジタル化による理論の変化」には特に興味が無い場合。興味が無いとしても、例えばある理論的検討余地について企業の事例研究を行うとき、過去に同じように事例研究をした場合に比べ、企業行動がデジタル化という環境変化のせいで特有の変化をしている可能性があります。なので、構築したい理論的検討余地にとって、デジタル化という文脈がどういう影響を持つか、以前よりも注意して議論する必要があるでしょう。
第二に、デジタル化による環境変化が、新しい理論的検討余地を生み、それに理論的な興味がある場合です。例えばAI実装が進み業務が自動化されれば、組織内外での知識の共有のされ方が変わり、それは伝統的な知識理論とはギャップがあるかも知れない。人的資源管理の伝統的な理論では、HRテックの浸透した組織をうまく説明できないかも知れない。このパターンが、見た範囲ではBig Data Conferenceの発表論文でも多かったと思います(私自身もそうです)。トピックとして「デジタル化」を使いつつ、理論としては既存理論に基づきその拡張・更新を狙う感じでしょうか。
そして第三に、デジタル化や技術のあり方それ自体に理論としての興味がある場合。従来、そういう議論がいわゆるIT系の論文・学会で行われてきたと理解します。今回のカンファレンスは、他分野(組織論、人的資源管理論、戦略論など)の研究者を招いて、他理論の視点でそれを語ろうという色がありました。なのでこのパターンの論文は少なかったように感じます。またこのアプローチでは、トピック自体から理論にジャンプしやすい陥穽もあるかもしれません。
(全く仮の例ですが、例えば「クラウドソーシング」が普及して既存研究にない特徴が明らかになると、「クラウドソーシング理論」という全く新しい理論が誕生した!と主張したくなる、というような)
・AOM Big Dataでは、どういうコンテンツの研究発表が多かったのか?
・特に面白かったのはどんな論文だったのか?
については、また回をあらため継続して書いていきたいと思います。
(この話題は続きます)
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