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1月 20, 2019の投稿を表示しています

経営学が人工知能を正面からとらえ始めた

Academy of Management Discoveries ( AMD ) という論文誌があります。そこで昨年 12 月に、人工知能がもたらす影響を経営学として研究すべき、というコメンタリーがついに出ました。 AMD は、発行元が Academy of Management ( AOM, 米国経営学会) で世界的なトップ学会です。しかし、 AMD は AOM が出す他の論文誌とは一線を画した特殊ジャーナルです。普通、ジャーナルは理論的貢献(先行研究が提示した理論に関して、それを修正したり、別の側面を示したり、理論間をつないだり、適用範囲や条件を明確にしたり)を尺度に評価されます。しかしこれでは、先行研究に十分材料がなく議論がされない領域だと、理論的貢献を作れず論文になりません。そのため研究には、 既存研究に引っ張られそれがある範囲で無難な貢献を探す方が現実的 、という力学が働きます。かといって、逆に先行研究を無視して新しい理論や現象を自己流に提示しても、それは研究ではなく個人のブログや一般書と同じです。もちろん、ブログや実務書には価値があり、特に実務ではその方がよほどすぐ参考になるものですが、「研究」とはあえてそうしない営みを指すという共通理解があります。要は、 研究をする以上、過去の蓄積を活用できる一方で、論文採択のされやすさを考えると、蓄積に縛られ新奇性を出しにくいというジレンマ があります。 AMD はこうしたジレンマにも対応して 4 年前に生まれた若いウェブ専門ジャーナルです。 AMD が求めるのは、理論的貢献ではなくその萌芽となる「 Discoveries 」です。つまり、 現実の新奇な現象や、理論に修正を迫るかもしれない発見を、無理に理論まで結論付けない素材の状態で出す 。これを刺激に、続く研究者がその発見の含意を理論に昇華させていこう、という取り組みです。 ・定性研究限定 ・厳格性:但しデータ収集・分析手法は普通の論文以上に厳格さを求める ・マルチメディア:文章に加え、研究者の動機など生の声を音声メディアで共有 という特徴があります。 このような AMD にとって、人工知能の台頭がもたらしつつある大変化は、まさに見過ごせないもの。率直に言って 経営学全体の AI に関する取り組みは驚異的なまでに遅かっ...