スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

12月 11, 2022の投稿を表示しています

専門職の仕事は、デジタル化でどう変わるか?

AIが人間を代替して仕事を奪うという議論は一時期大きく話題になりました。その後、職業、特に専門職(弁護士・会計士・医師など)とAIをめぐる議論はさらに発展しています。ここでは、そうした最新の論文の一つを取り上げます。 Sako, M., Qian, M., & Atolini, J. (2022). Future of professional work: evidence from legal jobs in Britain and the United States. Journal of Professions and Organization, 9 (2): 143–169. 要するにこの論文は : AI等デジタル技術の浸透が専門職の仕事にもたらす影響を、英米の弁護士を題材にウェブ上の求人情報から検証した定量実証研究。 ポイント : デジタル技術は専門職の仕事にどう影響するか? この問いには、専門職の管轄領域のコントロール(professional jurisdictional control)という視点が有用である。 専門職の管轄領域のコントロールとは、外部からの妨害要因に対して、専門職が自らの管轄領域を守ったり変えたりする働きかけを指す。国や専門職によってその方向性が異なる デジタル技術は、そのような外部からの妨害要因の典型例である 管轄領域のコントロールは、防衛的である場合も開放的である場合もある。 防衛的なコントロール:専門職は既存の管轄領域を守りながら、外部変化から生まれた新しい補助タスクを、自らに従属する他の職業に担当させる 連携的なコントロール:専門職は新しいタスクを他の職業と分かち合い、対等な立場で望みつつ、自らの管轄領域も変化させる。 本研究では、法務の仕事に関するウェブ上の求職データを大量に集め、上記の仮説を検証した。具体的には: 2014-2020年について、以下のデータを収集した 雇用主は、英米共に伝統的な法律事務所・企業的な法律サービス事務所(リーガルテックを使った法務アウトソースなどを請け負う)・それら以外の他の企業雇用主の3種のセグメントを含む 英国:連携的なコントロールの例 法曹業界の求人89.1万件(要求資格に応じて弁護士向け42.6万件・その他の法律専門職向け19.5万件・その他向け27万件の3種) 他の業界での求...