スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

6月 19, 2022の投稿を表示しています

AI技術の応用はどのような感情的反応を生むか?

今日の論文は、米国の組織論トップジャーナルの最新のデジタル特集号からです。 Rauch, M., & Ansari, S. Forthcoming. Waging War from Remote Cubicles: How Workers Cope with Technologies That Disrupt the Meaning and Morality of Their Work. Organization Science, 1-22. 要するにこの論文は: 革新的な技術が、仕事の核となる神聖な価値観を壊してしまう場合に、どのような感情的反応が生まれるかを検討した実証研究論文。 ポイント: 革新的な技術の台頭は、仕事の内容、職場の地位や階級、職業間の仕事の境界を変える、大きな変化をもたらす。ことに、新技術がその職業にとって仕事の核となる神聖な価値観を壊してしまう場合、強い感情的な反応をもたらす。 では、技術に対するそうした感情的な反応とは具体的にどのようなものか。本研究では、米空軍がドローン技術を導入することで、無人機によるリモート攻撃や標的殺害が可能となった文脈を題材に、事例研究を行った。 先行研究では、新しい技術が不安・ストレス・恐怖など負の感情を巻き起こす場合があることは報告されている。この研究では、これを深めて次の3つの示唆が提示された: 第一に、新技術はその使われ方によってモラルの問題を引き起こし、新技術を使うことが正しいのか誤っているのかを問う感情を巻き起こす。これは、ドローンが、パイロットの犠牲を抑える一方で、自らを危険にさらすことなく簡単に人命を奪うことも可能にするためであった。 第二に、リモートワーク(物理的な作業が行われる場から離れて仕事をする環境)は、人同士の信頼や従来の権力関係を難しくするだけでなく、モラルのような形で感情がかえって重要な役割を果たすものである。 第三に、研究手法として、労働者に日記を書かせることでデータを収集する新しい方法の実効性を示す。 コメント: これは、米国のトップ組織論ジャーナルで最近発表された、デジタル特集号の論文の一つです。このジャーナルは、「技術と仕事・組織」という研究領域は時々掲載していたものの、AIやデジタルについてさほど積極的に発信しているわけでもありませんでした。しかし、2021年から一気...