マクロレベルで、デジタル革命の行く末を考えると、どのような未来が考えられるのか。今日の論文は、少し通常の論文とは違う角度の、Organization Science特集号論文です。 Bodrozic, Z., & Adler, P. S. (2022). Alternative futures for digital transformation. Organization Science, 33(1): 105-125. 要するにこの論文は : デジタル革命が社会にもたらす帰結を、4つのシナリオに整理して提唱した理論論文 ポイント : シュンペーターの技術革新による経済モデルの変化の議論に従えば、人類社会は、これまで技術革新に応じて5つの革命的変化を経験してきた。 産業革命 蒸気機関と鉄道による革命 鉄鋼と電気による革命 自動車と石油による革命 コンピューターとデータによる革命(情報化革命) これらの革命的変化は、それぞれが次の時代の革命的変化の布石となった。さらに、戦前の科学的経営と工場モデル、戦後の戦略と構造モデル、その更新となる品質マネジメントなど、その変化に応じた新しい経営組織パラダイムを生み出してきた。 デジタル革命は、この中で5つめの情報化革命における最後の総仕上げ段階ととらえることが出来る。現在社会を大きく変えつつあるが将来が不透明なデジタル革命も、大きく2つの変数軸がどう変化していくかでその未来を想定することが出来る。 ビジネス組織の側面 政策・政治の側面 ビジネス組織の側面では、有力な企業群がビジネスプロセスモデル(Business process model)を取るか、コミュニティ・協力型モデル(Community-collaboration model)を取るかの幅がある。 ビジネスプロセスモデルとは、企業内外のプロセスを合理化することで、企業としての利益の最大化と価値の獲得を目指す志向性である。デジタルの文脈では、新技術によりさらなる合理化を目指し、労働を自動化し、支配的な地位を目指す。 コミュニティ・協力型モデルとは、社会の紐帯を再生し、共通の目的に向けて協力を目指す志向性である。デジタルの文脈では、新しい組織課題に対して新たなバランスを探索し、技術で人の労働を支援し、社外と力を分かち合い共通の基盤構築を目指す。 政策・政治の側面...
人工知能などの革新的技術が、経営学をどう変えるかを考えるブログ。 組織論や戦略論はどう変化しているか? 研究手法にAIはどこまで浸透するか? など。