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3月 3, 2019の投稿を表示しています

デジタル化と戦略論:組織論的に気になる2つのこと

デジタル技術の進化は経営戦略をどう変えていくのか? 欧州経営学の総合系で最高峰のジャーナル、 Journal of Management Studies がSpecial Issueでデジタル時代の企業戦略に関する研究を1月まで募集していました。革新的技術の台頭が経営学に与える影響を考える上で、重要な一歩だと思います。どんなポイントを問題視しているか、さっと確認してみたいと思います。 Call for papers for a special issue:Corporate strategy and the theory of the firm in the digital age (Journal of Management Studies) ―――以下、要旨――― 経営学における戦略論の研究は、戦略(組織による目標達成)に注目する視点を軸に、「なぜ(他の形態でなく)今日有るような企業組織が成功し存在するのか」という根源的な問いを探ってきた。 昨今のデジタル技術の台頭は、そうした我々の理解の前提を大きく変える可能性がある。戦略論は主に個々の組織について議論してきたが、組織レベルよりも、技術・国際政治のようなより上位レベルの変化に組織行動が左右される傾向が強まっている。また組織から見ても、ビジネスの生態系をどう構成するか、単に顧客と競合ではない、より広範囲を視野に入れた戦略が求められる。こうした 戦略論の新たな論点は具体的には、市場・企業・企業内の3つのレベルで考える ことが出来る。 まず 市場レベル では、デジタル化は市場の境界線を溶かし、新たな産業と生態系を生み出す。 こうした変化は、市場同士の相関性や産業のライフサイクルに関する従来の知識を覆す。総じて言えば、 伝統的な分析単位としての市場や産業が、今日でも本当に意味があるのか が問われている。 次に 企業レベル では、企業の間の境界線、そして企業と市場との間の境界線も徐々に曖昧になりつつある。それに加え、GAFAのような業界を越えた圧倒的巨人企業も台頭している。 これは、戦略論に新たな問いを突きつける。例えば、デジタル化による取引コストの低減は、企業がどこまで自ら保有すべきかの境界線を変化させ、そこで浮いたリソースを他の市場に投入する戦略の重要性を増すかもしれない。また取引コストの...