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3月 12, 2023の投稿を表示しています

アルゴリズムと徒弟制度的な育成

AIで専門知識がブラックボックス化すると、人間の専門家が育たなくなるのではないか? パソコンの自動変換に慣れると手書きでは漢字が書けなくなるように、技術進化の中で人間のスキルが失われることもあります。人間のスキルをどこまで、どう維持すべきなのかは、大きな論点です。今日の論文は、この論点に現場の実態から切り込んだものです。 Anthony, C. (2021). When Knowledge Work and Analytical Technologies Collide: The Practices and Consequences of Black Boxing Algorithmic Technologies. Administrative Science Quarterly, 66(4): 1173-1212. 要するにこの論文は : 知的労働へのAI導入が現場でもたらす影響を、投資銀行の投資アドバイザリー部門のアナリストチームのエスノグラフィーを元に探索した事例研究論文。 ポイント : データを構造化して処理するアナリティクスは、組織にとって大きな可能性を秘めている。しかし、分析ツールは知識労働者のタスク遂行に大きな課題をもたらす可能性もある。知識労働者は、人間にはその過程が理解できないブラックボックスのアルゴリズムを、業務でどう活用しており、それはどのような結果を生むのか? 本研究では、投資銀行でのアナリティクスの使用について、4つのグループを横断で2 年間のエスノグラフィー調査を行い、次のような発見をした: 各グループは、アルゴリズムによる財務分析結果の信頼性をどう確認して結果を活用するか、その「検証プラクティス」について2つの異なるパターンを見せた。 パターンAでは、検証プラクティスがジュニアとシニアの間で分割された。ジュニアバンカーはタスクを設計して分析ツールによる分析を実行し、それを受け取ったシニアバンカーが独自に分析結果を解釈した。 もう1つのパターンBでは、ジュニアメンバーとシニアメンバーが共同作業に取り組んだ。ジュニアバンカーがタスクの組み立てと結果の解釈の両方を行い、シニアバンカーは結果の解釈に参加すると共に、ジュニアバンカーの推論と選択についてフィードバックを行っていた。 パターンAでは、ジュニアバンカーもシニアバンカーも、アルゴリズムを...